妹尾 ゆふ子『翼の帰る処 3 歌われぬ約束 下』

妹尾 ゆふ子『翼の帰る処 3 歌われぬ約束 下』イラスト:ことき(幻冬舎コミックス 幻狼FANTASIA NOVELS ,2010-08,945円, ISBN978-4-34482076-0)読了。

翼の帰る処 3 ―歌われぬ約束― (下) (幻狼ファンタジアノベルス)翼の帰る処 3 ―歌われぬ約束― (下) (幻狼ファンタジアノベルス)
妹尾 ゆふ子 ことき

幻冬舎 2011-08-30
売り上げランキング : 235756

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

相変わらず人たらしっぷりが半端ないヤエト先生。1タイトルにつきひとりは恩寵持ちをたらしこんでる勘定になりますな。いや、ひょっとしたら1巻にひとりのペースかも。
皇女、ナグウィン、ジェイサルド、スーリヤ、ファルバーン、預言者、幼女。異能者だけでもよりどりみどりw
皇帝陛下がヤエトを成敗出来ないのには、彼の正論と人間的魅力のほかに理由があるのかしらん。契約?

第五章は、『魔法の庭』の変奏曲。ほんと、よく捕まるな、あの人( もう人じゃないけど)。




|

妹尾 ゆふ子『翼の帰る処 3 歌われぬ約束 上』

妹尾 ゆふ子『翼の帰る処 3 上 歌われぬ約束』イラスト:ことき(幻冬舎コミックス 幻狼FANTASIA NOVELS ,2010-07,945円, ISBN978-434482000-5)読了。

翼の帰る処(ところ)〈3(上)〉歌われぬ約束 (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-5)
翼の帰る処(ところ)〈3(上)〉歌われぬ約束 (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-5)妹尾 ゆふ子 ことき

幻冬舎コミックス 2010-07
売り上げランキング : 1254

おすすめ平均 star
star着実な歩み
star働きすぎです
star押し寄せる難題

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


望んでもいないのに四大貴族の一角“黒狼公”に出世してしまったヤエトだったが、その隠居願望と病弱さは変わらぬまま。どこで倒れたのか気がついたら、皇女のいる北嶺国で看病されている始末だった。そんな折、ヤエトは、前の“黒狼公”妃であった皇妹から「復縁」を提案される。激しく動揺するヤエトに追い打ちをかけるように、宿敵・北方蛮族の使節が北嶺国を突然訪れ、相互和平のために人質交換を要求し…。

皇妹殿下から無理難題をふっかけられつつ、舞台は北方へ。
谷間! 雛! 女装! 邪眼の王子きたー! 人間界のラスボスは皇帝!  
って、感じでしょうか。いや、皇帝はラスボスじゃなくて中ボスぐらいかもしれない。
ある意味皇帝陛下はヤエトの最大の理解者だよなと思います。ヤエトは嫌がるだろうけど。

『邪眼の王子』の続きを待って待って幾年月、こんな風にあの物語の結末を知ることになるとは……。

新たな登場人物も増えたし、過去作品とのつながりもはっきりと見えてきたので、もう一度読み返して整理しようと思っています。

というわけで、再読時にTwitterに投稿したつぶやき一覧。

続きを読む "妹尾 ゆふ子『翼の帰る処 3 歌われぬ約束 上』"

|

妹尾 ゆふ子『翼の帰る処2 鏡の中の空 下』

妹尾 ゆふ子『翼の帰る処2 鏡の中の空 下』(幻冬舎コミックス 幻狼ファンタジアノベルス ,2009-08,945円, ISBN978-434481740-1)読了。

翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈下〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈下〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
幻冬舎コミックス 2009-08
売り上げランキング : 15983

おすすめ平均 star
star活躍していないけど活躍している主人公。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

四大公家のひとつ「黒狼公」となったヤエトのもとに、砂漠に巣食う盗賊を捕縛しようと第二皇子の使いがやってくる。その盗賊団と接触を試みたヤエトは、自らの恩寵の力と対になる未来視の力を持つ女性と出会い…。一方、兄である皇子同士の激しい後継争いを目の当たりにし、衝撃を受けた皇女は、ヤエトの助けを得ながら、自らの進むべき道を模索し始める。―陰謀と謎が渦巻く中、ヤエトの過去視の力が視た「真実」とは。(カバーより)

刊行が待ち遠しかった一冊。bk1への入荷と同時に特急便で注文し、届いてからはtwitterで実況(?)しながら一気読み。楽しかった~!

期待した(?)修羅場フラグは立たなかったけれど、ようやくヤエトと姫様の間に微妙な恋愛フラグが立ったようので、満足です。
皇女様がもうちょっと育てば、ヤエトの胸を騒がせる美女になる可能性があるわけですね。つまりヤエトはロリコンじゃなかったと(笑) 実はミアーシャさんあたりも結婚してなければヤエトの趣味だったかもと、ちらりと思いました。

新しい登場人物たちも出てきて今回も急展開。本人にはその気がないのに、周囲の人間たちが勝手に篭絡されていく、ヤエトの人たらしっぷりが素晴らしいです。敵役になるかと思われたギスケルですら、よろめいてるし(苦笑)。

おそろしくややこしい事態を(比較的)正攻法できちんと解決しようとするヤエト。幸か不幸か、それが出来てしまうほど能力は高い。帝国の人たちは、彼に野心と体力が欠けていることに感謝すべきなんだと思います。まあ、なまじ野心と体力があったら、さくっと殺されて終わりだったかも。

いままでほとんど人となりが語られることのなかった先代「黒狼公」のことが少しだけ出てきましたが、やっぱりヤエトと先代の「黒狼公」は似ているところがあるんじゃないかな。多分ジェイサルドも真上皇帝もふたりを重ねている気がします。かの人の死の原因はまだ語られていないのが気になります。戦死ではなさそう。

今回、ヤエト以上に印象的だったのは皇妹殿下。なんか、いろいろ持ってかれました。皇妹殿下が気になって仕方がありません。……これは恋?
実は私、ずっと皇妹殿下黒幕説を捨てきれないでいたんですね。でも今回のことで、少なくとも前回の皇女殿下への呪詛は皇妹殿下は無関係だというのが分かりました。ルーギンに対する感情も疑問だったんですが、今は、本当に好きだったのだろう(現在形かどうかは微妙だけど)という気がしています。
まあ、皇妹殿下が皇位継承をめぐる陰謀劇の中でなんらかのポジションについているのは間違いないですが。
……にしても、あの皇妹殿下とおつきあいして、叱っちゃったりできるルーギンってつくづく大物です。皇妹殿下のことをよく理解しているようだし、どうか二人で幸せになってもらいたいものです。

今回登場の第二皇子は、ヤエトをきちんと評価しているよいお師匠がいるのでポイント高し。見てる人はちゃんと見てるんですね。
というか、本人は自己評価が低いから気がつかないだけで、実はヤエトって皇帝の周りでは知る人ぞ知るひそかな有名人だったんじゃ……。皇帝からもこっそり目をつけられていた様子だし。

皇妹殿下から「愛を知らない」と評された人物のことも気になります。もしそれが第三皇子だとしたら、皇女様とDNAは同じなのに育ちかたの違いで、人としてのあり方も違った風になってしまったのでしょうか。早くにお母さんから引き離されたのかなぁ。あるいは伯父である西の旧帝国の皇帝に似てしまったのか……。

人間界だけでなく、神々的な次元でも新たな伏線が登場したので、これからの展開も楽しみです。
早く続きが出ますように!


(Alisato's 本買い日誌に載せたものですが、感想を募集している作者BLOG 積読山脈造山中: 翼の帰る処 2 鏡の中の空(下)へTrackBackを送るため、こちらにも転載しました)

|

妹尾 ゆふ子『翼の帰る処2 鏡の中の空 上』

妹尾 ゆふ子『翼の帰る処2-鏡の中の空 上』(幻冬舎コミックス 幻狼ファンタジアノベルス ,2009-07,945円, ISBN978-434481707-4)読了。
あー、面白かった。堪能しました。しかし、いいところで「続く」なんですね。表紙のジェイサルド爺がかっこええ。この構図だとヤエトはヒロインポジション……。

翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
おすすめ平均
stars昇進するほど落ち込む主人公

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


北嶺で北方民族との戦いの復興作業に取り組んでいたヤエトのもとへ、北嶺が郡から国に格上げされ、ヤエト自身も貴族に叙任されるという「悪いしらせ」がもたらされる。新年祭のため、皇女とともに渋々帝都へ向かったヤエトを待っていたのは、さらにやっかいな事態だった……。

真上皇帝陛下の「いじめ」は、的確かつ効果的ですな。ヤエトが嫌がり且つ帝国と皇女にとっては最も有用な手を打ってくる。

前作を再読しながら、ヤエトと皇女が出会ったのは偶然か否かについて考えていました。
ルーギンが皇女殿下の部下を辞めなかったいきさつとや皇帝陛下のやり方を考えるに、仕組まれてたんでしょうねぇ。
多分、ヤエトは大事な姫君に一番手を出しそうもない奴としてリストアップされたんだろうと思います。万が一何かあっても、家名を持たないから結婚を申し出る心配はないし、邪魔になって殺しても面倒な親類縁者がいなくてあとくされないし。
でもまさか皇帝陛下も、副官に任命したヤエトが皇女を「たぶらかした」あげく、その魂と命を救ってしまい、殺すわけにもいかないほど重要な存在になるとは思ってもみなかったでしょう。

でもヤエトって、従わせようと思ったら、本当に厄介な相手ですからね。
金にも色にも地位にも名誉にも興味がなくて、自分の命も惜しまないし、人質にできる係累もいないし、正論吐いて逆らうし、他人にあまり興味はなさそうなのに妙に人望はあるし。
皇帝陛下がいじめっ子になるのも無理はない(苦笑)……と思いました。

なんだかんだいっても一度視界に入った人間は見捨てられないヤエトの性格を見抜いて、勝手に死んだりできないぐらいにいろいろ背負わせてしまおうというのが、皇帝陛下の作戦だと思います。これで皇女と何かあっても、責任をとらせることもできますしね。
皇女と同じく皇帝もヤエトのことをよく理解しているのではないかと思いました。

そして今回もジェイサルドかっこいい! ヤエトに剣を捧げる挿絵にどきどきしました。
ジェイサルドは、万事にそつなく抜かりなく気が回り、腕も立てば呪術もこなし、めったなことでは死なないほど頑丈。「あくまで執事」も顔負けの万能執事兼騎士ぶりです。すばらしい。これでヤエトの負担も少しは軽減されるでしょうか。

ジェイサルドは、誰か人外の存在(黒髪の詩人とか)に名前を与えられたのかと思っていたのですが、逆だったのですね。(ある意味では与えられたといってもいいのかもしれませんけれど)
彼の新しい名前が下巻でどういう役割を持つのか楽しみです。

そして本気だせば十分黒いヤエトもかっこいい! 代官のスラジャを脅しつけているイラストが、これまたかっこいい。
前作でナグウィンを説得したときもちらりと「黒さ」が出ていましたが、その気になればいくらでも冷酷かつ狡猾に振舞えるんですね。意外に敵に回すと怖い相手。ヤエトを左遷した人たちとか、彼を本気で怒らせるようなことをしなくてよかったですね。

そして、セルクの「天然劇場」に大笑い。セルクって、あれで北嶺じゃ良いとこの坊ちゃんなのに。良いとこの坊ちゃんだから、ああなのか。都の奥様方の間でセルクがどのような評価を受けたのかが気になります。案外都じゃ珍しいタイプだから、「一途でいらっしゃる~」と好評かも。

しかし、あそこで続くですか? これからが一番美味しそうな場面なのに、1ヶ月おあずけなのですね。
個人的にはあそこでスーリヤが登場して修羅場フラグが立つのが見たかったり……。

妹尾せんせいのあとがきは面白いので、あとがき書きたくないとか言わず、毎回載せてほしいと思いました。下巻は「作者本人もびっくりの展開」だそうなので、楽しみです。

今回は真帝国の内情の説明がメインで、あまりファンタジーっぽくはありませんが、冒頭にああいう予言をもってきて、ジェイサルドの名前の秘密も明かされたので、きっと下巻では本当にびっくりするような展開が待っているに違いないです。
前作だって、上巻を読んで「ああ、今回はキャラクターメインであまりファンタジーじゃないんだ」と思っていたら、下巻に入って怒涛のファンタジー展開でしたから。

(Alisato's 本買い日誌に載せたものですが、
感想を募集している作者BLOG 積読山脈造山中: 翼の帰る処 2 鏡の中の空(上)へTrackBackを送るため、こちらにも転載しました)

オマケ

真上皇帝の皇子たち
第一皇子 27歳 沃野国 ……母は元女官の貴妃ラハーマ。
第二皇子 24歳 博砂国 ……母は前銀鷲公の娘シーリン姫(故人)
第三皇子 ??歳 中州の砦 ……母は皇女と同じ
第四皇子 17歳 東の草原地帯 ……母は白羊公の一門の出。第五皇子とは双子。武力馬鹿
第五皇子 17歳 東の草原地帯 ……母は白羊公の一門の出。第四皇子とは双子。
第六皇子 16歳 都の向こう岸の平野 ……母はラングールの藩主の娘
第七皇子 15歳 沿海の国 ……母は白羊公の一門の出。第四、第五皇子と同腹
第一皇女 15歳 北嶺国 ……母は第三皇子と同じ

四大公家
銀鷲公
金獅子公
灰熊公
黒狼公

十二大公家
四大公家
白羊公
赤犬公
……残りの6公家はまだ出てこない

|

再読:妹尾ゆふ子『翼の帰る処 下』

妹尾ゆふ子『翼の帰る処 下』(幻冬舎コミックス 幻狼FANTASIA NOVELS ,2008年11月,945円, ISBN978-434481493-6)を再読。
『翼の帰る処 2 上』が届くまでに、復習をしておこうと読み返した。
初読のときの感想は「アリストック: 妹尾ゆふ子『翼の帰る処 下』

翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)
翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)妹尾 ゆふ子

幻冬舎コミックス 2008-11
売り上げランキング : 18374

おすすめ平均 star
star主人公半死半生で頑張る。
starおっさんが素敵!

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


以下、ネタバレ全開の感想メモ。

・皇帝の取り次ぎ役が、結構好き。美辞麗句にまみれた文言をさっくり身も蓋もなくまとめるのって、すごく頭がよくないとなれない役目だと思います。
・ジャヤヴァーラに関する話の続きはでてくるんですかね~。なんでも続きが書けるようにめいっぱい伏線を撒いておいたという話だから、でてくるんじゃないかとは思うけれど。
・皇妹の亡夫が気になります。名前だけは何度もでてくるのに、人となりは全然出てこない謎の人。ジェイサルドのじいさまがあんなに入れ込んでいるんだから、きっとかっこいい人に違いない。ヤエトに似てるのかなぁ……。
・皇妹殿下もよくわかんない人ではあります。ルーギンを本当はどう思っているんだろう。嘘はつかないと思うけれど、全てを言うわけでもない人だと思います。
・皇妹の指輪が印象的に描写されているが、あの指輪の意味はなんだろう? 誰に贈られたものなのか。ルーギンか、亡き黒狼公か、それとも他の誰かか。
・皇妹は伝達官を難なく「調整」できるので、伝達官システムがおかしくなってしまった犯人としては皇妹が一番怪しいのだけれど、どうだろう? この人がラスボスじゃないのを祈るばかり。皇女に対する呪いはこの人の予定外の出来事だったような気がする。
・帝国の男女比がとても気になる。旧帝国人の血を引く女性はとても少ないはずなのだ。非戦闘員をぞろぞろ連れてくるわけにはいかないだろうから、皇帝の妃とその侍女たちぐらいしかいないはず。
・新帝国が興ったときに旧帝国からやってきた女性の下限が15歳ぐらい、あとは新帝国ができたあと生まれた子供。となると、ある年齢層の帝国人種の女性はほとんどいないということになる。
・ヤエトがジェイサルド爺からまずい食事を与えられているところは、やっぱりウケる。
・再読でイスヤームの株が急上昇。案外賢い人だったんだ。


(Alisato's 本買い日誌に載せたものですが、感想を募集している作者BLOG 積読山脈造山中: 翼の帰る処(下)へTrackBackが送れないので、こちらにも転載しました)

作者による紹介ページ


|

妹尾ゆふ子『翼の帰る処 下』

妹尾ゆふ子『翼の帰る処 下』(幻冬舎コミックス 幻狼FANTASIA NOVELS ,2008年11月,945円, ISBN978-434481493-6)読了。
前の巻に対するミーハーな感想は、2008/11/15

療養を名目に皇女から帝国主都での情報収集を命じられたヤエト。だが彼はそこで皇女に陰謀の魔の手が迫っていることを知る。皇女を救うべく、ヤエトは皇妹の護衛であったジェイサルドとともに北嶺へと向かう……。

皇女殿下と主人公の仲は進展したかしらと本を開いてみたら、いきなりヤエトが皇女から離れて南方に向かっていてびっくりですよ。
ゴタゴタはあっても基本的にのんびりしていた北嶺と違い、帝国主都に漂うのは陰謀の気配。そして事件は起こり、物語はダイナミックに展開します。まさかタイトルの示す意味がそういうことであったとは……。
今回はファンタジー度が低めかなと思ったらとんでもない、いかにも妹尾流の本格ファンタジーでありました。

虚弱な主人公は今回もコロコロと倒れつつも頑張ります。その主人公にほだされて、世話を焼く周りのおじさんたちがいい味だしてます。主人公プラス二人のおっさんの旅の会話がたいへんに楽しい。トリオ漫才?
小道具の使い方も印象的でした。角灯とか食べ物とか。

第三皇子のところにいた伝達官のおじさんも好きでした。……本当に残念です。
そして意外に世話焼きだった美老人のジェイサルドさんが素敵です。ヤエトに「名明し」のことを語っていますが、彼は誰かに名を明かされたのかもしれないと思いました。あの世界にはそれが出来そうな人外の存在がうろうろしてますからね。黒い髪の詩人とか、少年の姿をした神とか。

で、私が期待したロマンス度はといいますと……うーん……。なにしろ主人公が素晴らしく鈍感なので……。周りの人は全員分かっているし、皇女殿下だって思いっきり告ってるってのにねぇ。あそこまで鈍感だと、無意識のうちに「気がつかない」ようにしてるんじゃないかという気がしてきます。

続編があるそうですが、二人の関係がどうなるのかが気になります。
ただ皇女とヤエトの間にあるものは、単なるロマンスとは違う種類のもののような気がします。恋愛でなく友情でなく忠誠でなく、でもそれらを全て含む絆。「翼臣」という言葉を口にした皇女が求めるのは、そういったものだと思います。

下巻になってからはヤエトを慕う召使の少女なんてのも登場し、普通のライトノベルなら「これはハーレム化フラグか!?」と思うところですが、なにしろ妹尾ゆふ子の小説ですからねぇ……。

とても楽しめた作品なので、早く続きが読みたいです。
作者の妹尾さん、編集の内田さん、がんばって早く出してくださいね!!


(Alisato's 本買い日誌に載せたものですが、感想を募集している作者BLOG 積読山脈造山中: 翼の帰る処(下)へTrackBackが送れないので、こちらにも転載しました)

翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)
翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)妹尾 ゆふ子

幻冬舎コミックス 2008-11
売り上げランキング : 18374

おすすめ平均 star
star主人公半死半生で頑張る。
starおっさんが素敵!

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

作者による紹介ページ

|

妹尾ゆふ子『翼の帰る処 上』

妹尾ゆふ子『翼の帰る処 上』イラスト:ことき(幻冬舎コミックス 幻狼fantasia novels ,2008年10月,945円, 978-434481466-0)読了。

「過去視」の恩寵の力を持つ病弱な尚書官のヤエトは、派閥争い巻き込まれ帝国の辺境に左遷されてしまう。左遷先で気楽な隠居生活をと思っても、帝国の流儀に慣れぬ土地の者たちに任せておいては公務はうまく回らず、その上、太守として赴任してきた皇女の副官に任命されてしまう。鼻っ柱の強い皇女と物分りの悪い部下の間に立たされたヤエトは……。

ひさびさの妹尾ゆふ子のオリジナル作品。いままでになく日常のディティールが印象的で、登場人物たちの会話も楽しい。
作中に出てくる《化鳥の騎士団》というのは『竜の哭く谷』ですね。ということはあの世界とつながっているのか。でもって、ちらっと話にでてきた黒髪の詩人さんは『魔法の庭』のあの人ということになりますね。……下巻に出てくるのかなー出てこないかなー。

馬鹿な部下をもったヤエトの読んでいて胃が痛くなるような中間管理職哀史が1章で終わってよかった……。
その後は36歳の主人公と14歳の皇女さまという個人的に超萌える二人のやり取りにニヤニヤしっぱなし。果たして下巻でロマンス度は上がるのか? なにしろ妹尾ゆふ子の小説だからなぁ……。最後のあの状況などは普通の小説だったらフラグ立ちまくりなわけですが……。

皇女様の視点で読みながらいろいろ想像すると、とても楽しいです。
やっぱりヘコんでいるときに一番欲しい言葉を一番欲しいタイミングで言われたら、恋に落ちますよね。その相手はどんなことをしてでも手に入れるに値しますよねーー! 頑張れ姫様! 相手はえらく鈍感なので、前途多難だとは思うけど。

(Alisato's 本買い日誌に書いたのですが、感想を募集している作者BLOG積読山脈造山中: 翼の帰る処(上)へTrackBackが送れないので、こちらにも転載しました)

翼の帰る処(ところ)〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
翼の帰る処(ところ)〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)妹尾 ゆふ子

幻冬舎コミックス 2008-10
売り上げランキング : 9896

おすすめ平均 star
star主人公がイイ!
star硬派な異世界ファンタジー(別名・中間管理職の悲哀)

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


作者による紹介ページ

|

2004年12月のおすすめ本

2004年12月に読んだ本の中からおすすめ本をピックアップ。

大森 望/三村 美衣『ライトノベル☆めった斬り!』
清水義範『大人のための文章教室』
飛 浩隆『象られた力』

大森 望/三村 美衣『ライトノベル☆めった斬り!』

大森 望/三村 美衣『ライトノベル☆めった斬り!』
(太田出版 ,2004年12月,1554円, ISBN4-87233-904-5)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo
amazonへ
[→感想 2004/12/02]


飛 浩隆『象られた力』

飛 浩隆『象られた力』
(早川書房 ハヤカワ文庫JA ,2004.9, \777 , ISBN4-15-030768-7)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo
amazonへ
[→感想 2004/12/31]

清水義範『大人のための文章教室』

清水義範『大人のための文章教室』
(講談社現代新書 ,2004年10月,756円, ISBN4-06-149738-3)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo
[→感想 2004/12/30]

| | コメント (0)

2004年11月のおすすめ本

2004年11月に読んだ本の中からおすすめ本をピックアップ。

桜庭 一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
喬林知《まるマ》シリーズ

桜庭 一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

桜庭 一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』イラスト:むー
(富士見ミステリー文庫 ,2004年11月,525円, ISBN4-8291-6276-7)
bk1/amazon/Yahoo

amazonへ
[→感想 2004/11/17]


喬林知《まるマ》シリーズ

喬林知《まるマ》シリーズ
(角川書店 角川ビーンズ文庫)イラスト:松本テマリ
amazonへ

『今日からマのつく自由業!』[→感想]
(2001年10月,460円, ISBN4-04-445201-6)
bk1/amazon/Yahoo
『今度はマのつく最終兵器!』[→感想]
(2001年10月,460円, ISBN4-04-445202-4)
bk1/amazon/Yahoo
『今夜はマのつく大脱走!』[→感想]
(2001年12月,460円, ISBN4-04-445203-2)
bk1/amazon/Yahoo
『明日はマのつく風が吹く!』[→感想]
(2002年3月,460円, ISBN4-04-445204-0)
bk1/amazon/Yahoo
『閣下とマのつくトサ日記!?』[→感想]
(2002年6月,440円, ISBN4-04-445205-9)
bk1/amazon/Yahoo
『きっとマのつく陽が昇る!』[→感想]
(2002年10月,440円, ISBN4-04-445206-7)
bk1/amazon/Yahoo
『いつかマのつく夕暮れに!』[→感想]
(2003年1月,440円, ISBN4-04-445207-5)
bk1/amazon/Yahoo
『天にマのつく雪が舞う!』[→感想]
(2003.6, \480, ISBN4-04-445208-3)
bk1/amazon/Yahoo
『地にはマのつく星が降る!』[→感想]
(2003.7, \460, ISBN4-04-445209-1)
bk1/amazon/Yahoo
『お嬢様とは仮の姿!』外伝 [→感想]
(2003年10月,460円, ISBN4-04-445210-5)
bk1/amazon/Yahoo
『めざせマのつく海の果て!』[→感想]
(2004年4月,460円, ISBN4-04-445211-3)
bk1/amazon/Yahoo
『息子はマのつく自由業!?』外伝 [→感想]
(2004年5月,440円, ISBN4-04-445212-1)
bk1/amazon/Yahoo
『これがマのつく第一歩!』[→感想]
(2004年10月,460円, ISBN4-04-445213-X)
bk1/amazon/Yahoo

| | コメント (0)

2004年10月のおすすめ本

2004年10月に読んだ本の中からおすすめ本をピックアップ。

桜庭 一樹『推定少女』
林 亮介『和風Wizadry純情派』

桜庭 一樹『推定少女』

桜庭 一樹『推定少女』
(エンターブレイン ファミ通文庫 ,2004.9, \672, ISBN4-7577-1995-7)
bk1/amazon/Yahoo

おすすめ。かつて自分が15歳の少女であったことに感謝を。そして15歳の少女であったことがない人間にはザマアミロといいたかったり。


林 亮介『和風Wizardry純情派』

林 亮介『和風Wizardry純情派』上下
(迷宮探索事業団広報部,2004/10/16, \3000)
迷宮探索事業団広報部

Web小説として発表された、現代日本を舞台にした『ウィザードリィ1 狂王の試練場』の恋愛小説『和風Wizadry純情派』の同人誌版。
縦書きは違和感があるかと思ったけど、ぜんぜん問題なしですね。
装丁もかっこいいし、内容も同人誌だなんて思えない。
普通に書店に並んでいる小説を読んでいるみたいです。(まあ、文体にちょっと癖があるんだけど)この人絶対商業デビューすべきですよ。

[→Web小説版の感想]

| | コメント (0)

より以前の記事一覧