2004年8月のおすすめ本
2004年8月に読んだ本の中からおすすめ本をピックアップ。
とみなが 貴和『Edge 4 檻のない虜囚』
清水 マリコ『ゼロヨンイチロク』
若竹 七海『スクランブル』
金水敏『ヴァーチャル日本語役割語の謎』
花丸編集部『ボーイズラブ小説の書き方』
とみなが 貴和『Edge 4 檻のない虜囚』
とみなが 貴和『Edge 4 檻のない虜囚』
(講談社 講談社X文庫ホワイトハート,2004.8, \630, ISBN4-06-255742-8)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo】
『Edge』シリーズ第4弾。
今回は連続動物殺害事件。巻を追うごとに事件がスケールダウンしているような気がするけど、非常に面白かった。おすすめ。でも1から読んでね。
この作品は、宮部みゆき作品に出てくるような現実的な現代人の心の闇を描いた犯人のパートと、現実にはありえないような男装の麗人の天才的プロファイラーとこれまた現実にはありえないような万能超能力青年(の割には役立たず)の助手という探偵側のパートが危ういバランスで釣り合いをとっているところが魅力。
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清水 マリコ『ゼロヨンイチロク』
清水 マリコ『ゼロヨンイチロク』
(メディアファクトリー MF文庫J ,2004.7, \609 , ISBN4-8401-1107-3)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo】
ライトノベルの体裁で出ているけれど、冒頭の文章の雰囲気からして児童文学的な匂いがする。天沢退二郎の『光車よ、まわれ!』を引き合いにだしている人がいて、なんとなく納得。ライトノベル的大団円に落ち着かないところまで含めて似ているかもしれない。
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若竹 七海『スクランブル』
若竹 七海『スクランブル』
(集英社 集英社文庫 ,2000.7, \500, ISBN4-08-747216-7)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo】
作品に登場する文芸部員の姿に自分自身の学生時代の姿がかぶって、蚊に刺されたところを掻くような、痛痒くて甘美な読後感。
ミステリとしてより思春期小説として面白かった。
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金水敏『ヴァーチャル日本語役割語の謎』
金水敏『ヴァーチャル日本語役割語の謎』
(岩波書店 もっと知りたい!日本語 ,2003年1月,1575円, ISBN4-00-006827-X)
なぜ物語の中の博士は「そうじゃ、わしが博士じゃ」としゃべるのか。『エースをねらえ!』のお蝶夫人の言葉のルーツは? でじこが語尾に「にょ?」をつけることの意味は?ステレオタイプという概念をもとに、現実に存在する・しないにかかわらず、いかにもそれらしく感じてしまう言葉づかいを「役割語」と名づけ、その歴史と用法を探る一冊。
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花丸編集部『ボーイズラブ小説の書き方』
花丸編集部/夢花李『ボーイズラブ小説の書き方』
(白泉社 ,2004.8, \1500, ISBN4-592-73224-3)
ボーイズラブを書き始めた人/投稿者がターゲットの結構まっとうな小説の書き方の本。ボーイズラブ小説についての薀蓄もそれなりに書いてありました。編集さんが書いているせいか、ボーイズラブに理解はあっても、のめりこんでいるって感じはしなくて、割と客観的だと思います。
あんまり過剰な期待をせずに一読されるのもよろしいかと。
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