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2004年6月のおすすめ本

2004年6月に読んだ本の中からおすすめ本をピックアップ。

梨木香歩『家守綺譚』
桜庭一樹『赤×ピンク』
田中啓文『蹴りたい田中』
松田哲夫『編集狂時代』

梨木香歩『家守綺譚』

梨木香歩『家守綺譚
(新潮社 ,2004年1月,1470円, ISBN4-10-429903-0)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo

家守綺譚
梨木香歩著

細やかな描写が美しい和風ファンタジー。
売れない物書きの主人公は、亡き友人の実家の家守りを引き受けている。
サルスベリの木に懸想されたり、床の間の掛け軸から亡き友がやってきたり、庭に河童が出てみたりするのだが、主人公は少しも動ぜず穏やかに日々を暮らしているというそんな物語。

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桜庭一樹『赤×ピンク』

桜庭一樹『赤×ピンク
(エンターブレイン ファミ通文庫,2003年2月,672円, ISBN4-7577-1283-9)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo

赤×ピンク(ファミ通文庫)
桜庭一樹著
「女の格闘(キャットファイト)」を見せる非合法のファイトクラブで働いている女の子たちを描く連作短編集。彼女たちはそれぞれに問題をかかえ、中には格闘技のおかげで壊れかけた心をかろうじてこちら側に繋ぎとめていられる娘もいる。 生きるのが辛いという「おたくじゃない女の子」たちに読ませてみたいです。ポロっと出しちゃうファミ通文庫おそるべし。

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田中啓文『蹴りたい田中』

田中 啓文『蹴りたい田中
(早川書房 ハヤカワ文庫JA,2004.6,\735, ISBN4-15-030762-8)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo

蹴りたい田中(ハヤカワ文庫 JA 762)
田中啓文著

タイトル(数年後にはネタ元が分からなくなっていそうなので、一応注記しておくと綿谷りさ『蹴りたい背中』)からもわかるとおり、駄洒落満載のバカSF短編集。
駄洒落だけで構成されていて内容がないのに、真に楽しむためにはオタク的教養をやたらと要求されるという困った本。誰か元ネタ大全を作ってくれないものかしら。

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松田哲夫『編集狂時代』

松田哲夫『編集狂時代
(新潮社 新潮文庫,2004年5月,700円, ISBN4-10-148021-4)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo


ちくま文庫を創刊し、路上観察学会を設立し、『ちくま文学の森』や赤瀬川原平『老人力』を編集した松田哲夫の編集者一代記。『ガロ』に出入りしていたオタク青年が筑摩書房に入社し、倒産を経験し、いろいろあってヒットを飛ばして、いまじゃ社長です、という話。
たいへん面白かったです。この手の話は、書き手の自慢話に辟易させられたりするものですが、この本はあまり気になりませんでした。

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