森奈津子『ノンセクシュアル』
森奈津子『ノンセクシュアル』(ぶんか社)読了。
紹介
男と女両方の恋人に振られたバイセクシャルの作家・詠子がであったのは、美しく上品なノンセクシャルの絵里花。次第に親しくなる二人だが、詠子につきまといはじめた絵里花の行動は異常さをエスカレートさせていき……。
感想
ハードカバー版の帯には「ストーカーは、可憐なお嬢様!? 性愛のタブーを妖しく描く、セクシュアル・サイコホラー!」とあったんですが、そういう話とは微妙に違うような……。
たいへん面白かったんですが、ホラーかなぁ、これ。
確かにサイコホラーなんですけどね、「おのれの腹に硬い貝を思い切り叩き付けてしまい、内蔵破裂で死亡してしまう」ラッコの件でむちゃくちゃうけてしまい、「もしかして……お笑い?」という疑問を胸に読み進んでいって結局最後までその疑問が晴れることはなかったという……。
絵里花に感情移入して読んでいたので、非常に楽しゅうございました。詠子に感情移入してたら、とても怖い話だった……かなぁ(ちょっと疑問)。個人的に一番好きなのは夕子さんですね。これで「美しい」という形容詞がついてたら最高だったのに。
現在はハルキ・ホラー文庫で出ています。カバー絵がとても美しい。
書誌情報
書名:『ノンセクシュアル』
著者:森奈津子
書誌:(角川春樹事務所 ハルキ・ホラー文庫,2001年2月,756円,ISBN4-89456-833-0)
Amazon.co.jp: ノンセクシュアル (ハルキ・ホラー文庫): 森 奈津子: 本
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