2004年3月のおすすめ本
2004年3月に読んだ本の中からおすすめ本をピックアップ。
シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』
ケリー・リンク『スペシャリストの帽子』
清水 マリコ『君の嘘、伝説の君』
大森 望/豊崎 由美『文学賞メッタ斬り!』
シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』
シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』
大森 望編/大森 望訳/白石 朗訳
(河出書房新社 奇想コレクション ,2003.12,\1900+税, ISBN4-309-62182-1)
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私の大好きな「雷鳴と薔薇」が「雷と薔薇」というタイトルの新訳で収録されている。
1940年代から1950年代に書かれた作品なのに今読んでも古い気がしない。フレドリック・ブラウンあたりだと、「あー、50年代だぁ」という気がするのに。テッド・チャンと一緒に読んでもどっちが古いのか判断つかなかったり。
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ケリー・リンク『スペシャリストの帽子』
ケリー・リンク『スペシャリストの帽子』
金子ゆき子/訳 佐田千織/訳
(早川書房 ハヤカワ文庫 FT 358,2004年2月,840円+税, ISBN4-15-020358-X)
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なんだかよくわからないけど、とても面白かった。
最高に面白かったのが「飛行訓練」と「雪の女王と旅して」。どちらも神話/童話がベースにあって(前者はギリシャ神話、後者はもちろんアンデルセン童話)、間に挟まる謎の文章の意味が最後になって判る。私は参照先がいろいろある話が好きなんだな。
出版社からの内容紹介には「軽妙なユーモア」という言葉がでてくるが、私にはその底にある痛々しいような喪失感/欠乏感のほうがより強く感じられる。
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清水 マリコ『君の嘘、伝説の君』
清水 マリコ『君の嘘、伝説の君』
(メディアファクトリー MF文庫J ,2003.10,\580+税, ISBN4-8401-0886-2)
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住人が次々と引越ししてしまってほとんど空家ばかりの古い公団住宅というノスタルジックな舞台設定、ネットを通じて広がる魔女伝説、描き出される思春期の少年少女の不安定さなどは、恩田陸作品に通じるところがある。
若い人よりも1980年代に青春を過ごした人間にアピールする作品だと思う。
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大森 望/豊崎 由美『文学賞メッタ斬り!』
大森 望/豊崎 由美『文学賞メッタ斬り!』
(パルコ ,2004.3,\1600+税, ISBN4-89194-682-2)
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出版を心待ちにしていた本なので、一気に読了。大笑いさせていただきました。何か飲みながら読むのは止めたほうがいいです。危険です。
芥川賞・直木賞などの選考委員と選評をまな板に乗せてるROUND4も楽しかったですが、自分が読んでいる作品の多いメフィスト賞、ファンタジーノベル大賞、SFの賞についてが一番面白かったです。やっぱり作品を知らないとピンとこないところはありますね。
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