小林泰三『玩具修理者』
小林泰三『玩具修理者』(角川ホラー文庫)読了。
感想
第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。
弟を死なせてしまった少女が、何でも直してくれるという「玩具修理者」のところへ弟をつれていく――というのが表題作。凄いとは聞いていたが、確かに凄い。特にラストが……。
短い作品なので、立ち読みで読んでしまい、忘れられずに結局購入した。ホラーと銘打たれ、有名なホラーネタも入っててはいるがあまり怖くはない。それもそのはず、この作者、ほんとはホラーじゃなくてSFを書きたいヒトだったのだ。「酔歩する男」は、目眩のするような時間SF。これも凄い。
ということで、ホラー、SF、幻想文学のどの分野の読者をも魅了する本でありましょう。篠田節子といい恩田陸といい、最近こういう人多いですね。お薦め。ホラーだと思って敬遠せずに読むと吉。あ、でもエグイことはエグイので、グロテスクがだめなヒトは注意。
(1999.04.27)
書誌情報
書名:『玩具修理者』
著者:小林泰三
書誌:(角川書店 角川ホラー文庫,1999年4月,504円,ISBN4-04-347001-0)
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