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リンダ・ナガタ『極微機械ボーア・メイカー』

リンダ・ナガタ『極微機械(ナノマシン)ボーア・メイカー』(ハヤカワ文庫SF)読了。

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内容

天才分子デザイナーでテロリストのボーアが作った違法な分子機械ボーア・メイカーは、適応性人工知能をもち、宿主の肉体まで自由に改変できる。使い方しだいでは、連邦の存在さえ危うくしかねない驚異の極微機械だ。このボーア・メイカーが盗みだされ、偶然のことからスラム街の女性フォージタのものになるが…
ローカス賞処女長篇賞受賞作。

感想

宿主の身体だけでなく他人の肉体や精神まで改変できる分子機械ボーア・メイカーを巡る争奪戦を描いたSF。ナノテクノロジーだけでなく、クローンを各地に用意しておいて精神だけネットワークでダウンロードするとか、脳の中に”枢房”という器官を作ってバーチャルリアリティ空間を実現させるとか、SF的ガジェットが怒涛のように押し寄せるので、読んでいてなんだかよくわからなかったり。でもプロットは要するにインディ・ジョーンズ物と一緒なので、ハードSF志向の人には物足りないらしい。誉めてるのはファンタジー読みとSF的ガジェットが好きなヒトですね。

私は割と楽しめましたが、なんだかひどく読みにくかったので、この作者の他の作品を読むかどうかは分かりません。夏別荘社(←しかし凄い名前)の描写や、フォージタの見る世界なんてのは、幻想的イメージにあふれていて、とても好みでした。

装丁は失敗だと思います。タイトルと装丁で、ハードSFを期待した人には期待はずれだったろうし、私のようなファンタジー読みはハードSFだと思って敬遠してましたから。この内容だったらもっと幻想的な表紙にした方が、内容を面白がる人の手元に届くと思うんですが。
(1999/04/21)

書誌情報

書名:『極微機械(ナノマシン)ボーア・メイカー
著者:リンダ・ナガタ/著 中原尚哉/訳
書誌:(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 1243,1998年8月,861円,ISBN4-15-011243-6)
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