高野史緒『架空の王国』
高野史緒『架空の王国』(中央公論社)
内容紹介
王太子の聖別式を前に大学図書館の聖母像の前で教授が変死。遺された謎の古文書を巡り王太子、英国貴族、ゴシップ記者らが王国の存亡を賭けて争奪戦をくりひろげる。
コメント
史学科版『すべてはFになる』のような話でした。いや、全然違うか……(笑)
恩師の突然の死をきっかけに、国際的な陰謀に巻き込まれてしまう留学生の女の子のお話。 高野史緒の作品って、なぜか必ずスパイが出てくるんですよね。
今回は、舞台が現代のヨーロッパの小国で、主人公がちょっと作者を彷彿とさせる日本人留学生のミステリなので、前の2作に比べると、ぐんと読みやすくなっています。相変わらずペダントリーは満載ですが、主人公と相手役の大学助教授との軽妙な会話が楽しい。(このあたりの組み合わせが犀川&萌絵っぽいわけです)
主人公と相手役の組み合わせに、バリバリの才女という印象だった高野史緒さんの女の子らしさ(笑)みたいなものを感じて、思わずにっこり。やっぱり、王子サマって、女の子の夢だよなぁ……。
『ウテナ』のスタッフで、アニメ化したらいいのにと思ってしまいました。
図書館のシーンを映像で見てみたい。町並みのイメージは、フィレンツェで。
(1998.02.24)
2004年2月現在、絶版です。
【復刊ドットコム】では、復刊希望が100票を越して、出版社へ復刊希望のメール連絡済みになっているそうです。
復刊というか文庫化されるといいなぁ。
書誌情報
書名:『架空の王国』
著者:高野史緒
書誌:(中央公論社 ,1997年10月,2200円+税,ISBN4-12-002725-2)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo】
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