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Macavoy THE BELLY OF THE WOLF

R. A. Macavoy "The Belly of the Wolf (Lens of the World Trilogy)"

ハヤカワ文庫FTで出ていた、R・A・マカヴォイの《ナズュレットの書》3部作の最終巻。翻訳が出ていないので、仕方なく原書を読みました。


コメント

《ナズュレットの書》は、架空歴史ファンタジーとでも呼べばよいのでしょうか。ヴェロンニャ国王の右腕となるナズュレット(発音しにくい名前だ)の波乱の生涯を描く三部作です。語り口が一人称の手記の形をとっているので、時制がわかりにくくて、いささか読みにくいです。三部作のうちの2冊が出たところで、目録から消えて、結局は3巻目の翻訳は出ませんでした。

マカヴォイの作品は、絶対に予想したエンディングにならないのですよ。内乱を防いだものの、大団円にならないのが、このシリーズの特徴。(だから売れないのか。)ちょっと物足りないような、物さびしいような…。
結局この話は、王となるだけの血筋も才能も人望も機会もありながら、決して王になろうとはしなかった男の物語なのです。

英語の読解力がイマイチなので、正直いってクライマックスに何が起こったのかよく分かんないんですが、最後は娘のナーヴァの手記で結ばれています。ちょっと物悲しい…。

私はアーリンが大好きだったので、3巻目では、お亡くなりになっていて悲しかったです。まあ、時々出てくるんですけどね。

(1997.11.19)

《ナズュレットの書》についてもっと詳しく知りたい方は、私の解説より数倍も素敵で分かりやすい【りあんの本棚感想】をどうぞ。

あらすじ

ナズュレットは55歳、娘と共にCantonという港町に住んでいる。 アーリンは既に亡い。
その街で、彼はヴェロンニャ国王ルドフの訃報を聞く。噂では毒殺されたのだという…。
ナズュレットとその娘はその夜、刺客に襲われる。
船でCantonを後にした二人だが、船上で決闘で有名な画家 Dianos伯爵と知り合うことになる。
船長との争いに巻き込まれ、救命艇で脱出した3人は、伯爵の館へと辿り着く
どうやらナズュレットに気があったらしい伯爵を残し、ナズュレットと娘はRezhmiaへと向かう。

ナズュレットと娘は、ヴェロンニャで何が起っているかの情報収集をしつつ、Rezhmiaへと入る。情報は錯綜している。
彼は王宮で、首長(ナズュレットの叔母に当たる人物)と会い、ノルウェス地方(本来ならナズュレットの領地)が国王に対して反乱を起こしていることを知る。ナーヴァは、単身ノルウェスへ発つ。ナズュレットもまた、真相を知るため、馬でノルウェスへと向かう。
途中狼と闘い、名も知らぬ遊牧民の村に寄り、ようやくノルウェスに辿り着いたナズュレットは、ルドフの死がルドフの息子Benarの指示によるものだと聞かされ、 現在の国王であるBenarを殺すことを決意する。

Benarは、身の潔白を主張し、ナズュレットとBenarとDianos伯爵は、内乱を止める為ノルウェスへと向かう。
辛うじて内乱をふせいだナズュレットは、ナーヴァとも別れ、ひとりノルウェスを後にするのだった。

書誌情報

書名:The Belly of the Wolf (Lens of the World Trilogy)
著者:R. A. Macavoy
書誌情報: Lightning Source Inc ; ISBN: 0759204047 ; (2000/12/01)
ネット書店リンク:【amazon

この巻の翻訳は出ていないが、前日譚がハヤカワ文庫FTから刊行されていた。

書名:『世界のレンズ ナズュレットの書 1
著者:R・A・マカヴォイ 井辻朱美/訳
書誌:(早川書房 ハヤカワ文庫FT 188 ,1993年12月,602円+税,ISBN4-15-020188-9)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo

書名『死者を統べるもの ナズュレットの書 2
著者:R・A・マカヴォイ 井辻朱美/訳
書誌:(早川書房 ハヤカワ文庫FT 199 ,1994年10月,602円+税,ISBN4-15-020199-4)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo

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