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ミルン『ユーラリア国騒動記』

A.A.ミルン『ユーラリア国騒動記』(ハヤカワ文庫FT)読了。

内容紹介

朝食時に空飛ぶ靴を履いて城の上を飛び回っていた隣国の王様の髭を矢で打ち抜いたことから、ユーラリア国と隣の国が戦争を始めた。戦争に行く王の代理として城に残された王女にベルベイン伯爵夫人の陰謀がせまる。そこへやってきたのは、遠国の王子、しかし彼は、ベルベイン夫人によってうさぎの化け物に変えられてしまい……。


コメント

戦争勃発の原因のばかばかしさでも分かるとおり、能天気でチャーミングなメルヘン。ベルベイン伯爵夫人も悪人というよりは、ちょっと困った人なだけだし、戦争も始まりと同じようにとっても馬鹿馬鹿しい方法で終結します。

ストーリー的にはいささか破綻してる感じですが、キュートな登場人物と想像力のジャンプの前にはそんなものは敵じゃない。(笑) なんといっても、ぶっとんだベルベイン伯爵夫人が最高。

かつて『ぶーけ』に三岸せいこさんという漫画家さんがいたのですが、その人のいくつかの作品のキャラクターは、この作品の引用であることがわかりました。この小説の中のいくつかの素敵な文章は、マンガにそのまま引用されています。どうも『ユーラリア国...』の読後感想が暴走した結果が、「ものみな緑の春の姫」や「夢見る星に降る雨は」だったようですね。はっきりいって、漫画の方がオリジナルをしのいでます。

三岸せいこさんは筆を折ちゃった人なんですが、なんとか新たに『ユーラリア国』の表紙を描いてもらって、復刊……っていうことにはなりませんでしょうかね。……無理だろうなぁ。

(1997.10.09)

書誌情報

ずいぶんと前に絶版になった本なので、入手は困難かも。

著者:A・A・ミルン/著 相沢次子/訳
書名『ユーラリア国騒動記
書誌:(早川書房 ハヤカワ文庫 FT 15,1980年1月,400円+税,ISBN4-15-020015-7)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo

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