ゴールドマン『プリンセス・ブライド』
ウィリアム・ゴールドマン『プリンセス・ブライド』(ハヤカワ文庫FT)読了。
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『明日に向かって撃て』や『マラソン・マン』のウィリアム・ゴールドマンが、子供のころ好きだったフローリン国のS.モーゲンスターンの書いた<真実の愛と冒険の物語>の娯楽抜粋版を紹介する、という体裁の本。本編に入るまでのまえがきがやたら長いが、結構感動的なので、飛ばさずに読むこと。
絶世の美少女キンポウゲ、その恋人のウエストリー、父の仇を探す剣士イニーゴ・モントーヤ、心優しい大男フィジックといった魅力的な登場人物が活躍する手に汗握る冒険活劇……なのだが、ところどころで、ゴールドマンが顔を出してはシニカルに注釈を加える。要するに<真実の愛と冒険の物語>のパロディである。
読者を引き込む技はさすが。
ゴールドマンの皮肉な注釈の裏に、登場人物と物語への愛情が透けてみえて、後味は悪くない。
(1997.09.04)
書誌情報
書名:『プリンセス・ブライド』
著者:ウィリアム・ゴールドマン/著 佐藤高子/訳
書誌:(早川書房 ハヤカワ文庫 FT 85,1986年5月,780円+税,ISBN4-15-020085-8)
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