カード『エンダーのゲーム』
オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』(ハヤカワ文庫SF)
内容紹介
産児制限で子供が2人しか持てない世界で、遺伝子の優秀さから例外的に出産を赦された<サード>(3人目の意味)のエンダー。昆虫型異星人バガーの襲撃にそなえて設立されたバトル・スクールに6歳で入学した彼は、あらゆる訓練で最優秀の成績を修める。
一方、彼の兄ピーターと姉ヴァレンタインは、子供であることを隠してネットに論文を発表し、やがて世界を動かすほどの影響力をもつことになる。
コメント
大森望さんと水玉蛍之丞さんが『The BASIC』誌に連載していたイラスト付き対談「辺境の電脳たち:エンダーのゲーム」を読んで、読みたくなった本。
読みはじめたら面白くて、そのまま夜中の2時までイッキ読みする。エヴァンゲリオンのルーツは、コードウェイナー・スミスじゃなくて、こっちだよね。
主人公のエンダー君は天才少年で、司令官としての才能を開花させるために教官たちは彼をわざと孤立させ苛められるように仕向けたりする。エンダー君は小学生の身で悩んで悩んで戦わなくてはならないわけです。
最後の章では、話はただの戦争物で終わらず妙な方向へと続きます。ハインラインの『宇宙の戦士』のアンチテーゼといえるかもしれません。
水玉蛍之丞さんが好きだという、エンダーの兄ピーターは、実に特異なキャラクター。『羊たちの沈黙』のレクター博士の少年版というか、なんというか…。
私はこういう学校物?が好きみたいです。アン・マキャフリィの《パーンの竜騎士》シリーズでも、竪琴師の学校の出てくる外伝の方が好きだし、ゲド戦記も1巻目の魔法使いの学校のシーンが好き。もちろんハインラインの『宇宙の戦士』も好きだし、氷室冴子の『クララ白書』(コバルト文庫)も『あしながおじさん』も大好き。
こういうのって、物語の中でイジメがあってもちゃんと解決つくからいいよね。
(1997.08.24)
書誌情報
書名:『エンダーのゲーム』
著者:オースン・スコット・カード/著 野口幸夫/訳
書誌:(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 746,1987年11月,880円+税,ISBN4-15-010746-7)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo】
続巻および外伝として以下の本がある
『死者の代弁者 上』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 884,1990年8月,640円+税, ISBN4-15-010884-6)
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『死者の代弁者 下』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 885,1990年8月,640円+税, ISBN4-15-010885-4)
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……エンダー・ウィッギンのその後を描く
『ゼノサイド 上』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 1072,1994年8月,820円+税, ISBN4-15-011072-7)
【bk1/amazon/Yahoo】
『ゼノサイド 下』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 1073,1994年8月,820円+税, ISBN4-15-011073-5)
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……エンダー・ウィッギンのその後のその後を描く
『エンダーの子どもたち 上』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 1344,2001年2月,660円+税, ISBN4-15-011344-0)
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『エンダーの子どもたち 下』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 1345,2001年2月,660円+税, ISBN4-15-011345-9)
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……エンダーシリーズ完結編
『エンダーズ・シャドウ 上』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 1330,2000年10月,720円+税, ISBN4-15-011330-0)
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『エンダーズ・シャドウ 下』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 1331,2000年10月,720円+税, ISBN4-15-011331-9)
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……『エンダーのゲーム』を別の人物の視点から描く
『シャドウ・オブ・ヘゲモン 上』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 1463,2003年11月,700円+税, ISBN4-15-011463-3)
【bk1/amazon/Yahoo】
『シャドウ・オブ・ヘゲモン 下』
(早川書房 ハヤカワ文庫 SF 1464,2003年11月,700円+税, ISBN4-15-011464-1)
【bk1/amazon/Yahoo】
……『エンダーズ・シャドウ』の続編
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