ロビンソン『思い出のマーニー』
ジョーン・ロビンソン『思い出のマーニー』上下(岩波少年文庫)
内容紹介
自分の殻に閉じこもり環境不適応を起こして、海辺の村に預けられたアンナ。彼女は不思議な少女マーニーと友達になるが、やがて……。
コメント
読み終わった後しばらく、「あっち」の世界から戻ってこれなかった。子供の頃ならともかくこの歳でこういうことがあろうとは!優れた児童文学は、本当にとんでもない力を持っているものだと思います。
児童文学ガイドでは必ずといっていいほど出てくる作品ですが、確かにそれだけのことはある名作。
アンナが自分の殻に閉じこもるのは、拒否されるのが怖いから。彼女は自分と他の人との間に常に見えない壁を感じている。
なぜかというと、ほかの人たちは、みんな"内側の人"----なにか、目に見えない魔法の輪の内側にいる人だからです。でもアンナ自身はその輪の"外側"にいました。だから、そいういうことは、アンナと関係のないことなのでした。
一度でもアンナと同じように感じたことのある人なら、読んでみる価値があります。
そうでない人(っていうのは、ネット上には少ないと思うけど)も、海の匂いや葦の生えた水際の感触や海どりの声を感じるために、お読みください。
(1997.06.04)
書誌情報
書名:『思い出のマーニー 上』
著者:ジョーン・ロビンソン/作 松野正子/訳
書誌:(岩波書店 岩波少年文庫 110,2003年7月,640円+税,ISBN4-00-114110-8)
ネット書店リンク:上巻【bk1/amazon/Yahoo】
書名:『思い出のマーニー 下』
著者:ジョーン・ロビンソン/作 松野正子/訳
書誌:(岩波書店 岩波少年文庫 111,2003年7月,640円+税,ISBN4-00-114111-6)
ネット書店リンク:下巻【bk1/amazon/Yahoo】
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