« コリンズ『ミッドナイト・ブルー』 | トップページ | スコット『魔術探偵スラクサス』 »

ブルックス『妖魔をよぶ街』

テリー・ブルックス『妖魔をよぶ街』上下(ハヤカワ文庫FT)

妖魔をよぶ街

内容紹介

イリノイ州ホープウェルに住む少女ネストは、祖母の血筋から魔力を受け継ぎ、森の精とともにホープウェルの公園を守っていた。だがある年の夏、ホープウェルの町に不穏な雰囲気が立ち込め、ネストの前には見知らぬ訪問者がつぎつぎと現れた。

コメント

20倍に薄めたキング『IT』+2倍に薄めたマーガレト・マーヒーといった趣。面白かったのですが、この手のモダン・ファンタジー(あるいはアーバン・ファンタジー)が好みなだけに、点が辛くなってしまいます。あともう一歩で傑作!って感じなんだけど、どこか物足りない。ジョン・ロスのキャラクターはすごくいいのに、そのほかのキャラクターが一味足りないというか……。もうすこし、こう緊迫感とか恐怖感があってもいいと思うんですけれど、感情移入しにくいったら。視点がネストとボブせんせいとジョン・ロスの間で移り変わるのが原因かもしれません。

 原題の RUNNING WITH THE DEMON は、たいへん意味深なタイトルなんですが、日本語には移し難いですよね。 DEMON は 「デーモン」と訳してありましたが、DEVIL とはどう違うのかなと思って、調べてみました。
DEVILは、「悪魔, 悪鬼, 魔神」で善/神と対立するものだけれど、 DEMONは、「鬼神」、荒廃させるものであると同時に神と人との間の存在でもあるようです。『研究社 新英和大辞典 第五版』をひっくりかえしたら、もとはギリシャ語のdaimon = genius, denity 原義は distributor of men's destinies (人間の運命を分けるもの/与えるもの)なんて出ていて、やっぱり意味深と思いましたです。

(2000.01.08)

書誌情報

書名:『妖魔をよぶ街 上』
著者:テリー・ブルックス/著 井辻朱美/訳
書誌:(早川書房 ハヤカワ文庫 FT 268,1999年12月,660円+税,ISBN4-15-020268-0)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo

著者:『妖魔をよぶ街 下』
書名:テリー・ブルックス/著 井辻朱美/訳
書誌:(早川書房 ハヤカワ文庫 FT 269,1999年12月,660円+税,ISBN4-15-020269-9)
ネット書店リンク:【bk1/amazon/Yahoo

|

« コリンズ『ミッドナイト・ブルー』 | トップページ | スコット『魔術探偵スラクサス』 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。