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宮部みゆき『淋しい狩人』

宮部みゆき『淋しい狩人』(新潮社)読了。

古本屋のおじいさんとその孫を主人公の連作短編集。
虐待を受けた子供がある本を万引きすることでSOSを発する「うそつき喇叭」と、本の間に挟んであった名刺をめぐる物語の「歪んだ鏡」が印象に残りました。

宮部みゆきの作品には、「うそつき喇叭」の犯人や『レベル7』の極悪人や『夢にも思わない』の"彼女"など、自分の罪を他人に押し付けて自分は清廉潔白なふりをする人間というのが、随分出てくる気がします。

本の間に挟んであったといえば、私は図書館の本の間に領収書を見つけたことがあります。金額も名前もばっちり書いてある。いいんですかね~、悪用されちゃってもしらないよ。

(1997.02.23)

書誌情報
宮部みゆき
『淋しい狩人』
新潮社 新潮文庫
1997年2月
514円+税
ISBN4-10-136917-8


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